タイトル:復讐パパ 〜イジメ・リベンジャー〜
作者 :諸星モヨヨ・peep・大路まぐろ・taskey STU
連載期間:2024年~
巻数 :既刊12巻(2024年10月現在)
作品情報
娘が自殺した―― その知らせを受けた冴えない中年男性、福永 渡は、変わり果てた娘の遺体と対面する。死の真相を探るうち、彼は娘が殺されたという事実に行き当たる。ところが、事実を究明しようとした渡は、何者かによって殺されてしまう。目を覚ました彼は、娘が殺される前にタイムリープしていた。
管理人の戯言
初めてこの漫画と出会ったときの印象は「パパがどんな復讐するんだ?」くらいな気持ちで読んでいました。
読み進めていくうちに子を持つ親として、子どもを守れなかった、もしも自分の子どもだと思えば思うほどこれくらい気が狂ってしまうかもしれないと想像でも恐ろしいことが分かってきました。
この漫画を読んで、私も同じ娘を持つ親として、主人公と同じように感情を爆発させてしまうのではないかと感じました。病気や事故は避けられないかもしれませんが、いじめによる自殺だけは許せない。特に、娘が親を心配させまいと、辛い気持ちを隠してしまう姿に心が打ちのめされます。
子どもは、親が思っている以上に深く傷つき、それを隠そうとするものです。親は、どんな手を使ってでも子どもを守らなければなりません。もし私が、いじめられていると知ったら、ためらわずに転校させます。命を捨てるよりも、新しい世界を見せるべきだと考えます。親は、子どもを守るために、どんなことでもするはずです。
だから、子どもたちには、辛いことがあれば何でも話してほしい。命を絶つ前に、学校を休んだり、転校したり、色々な選択肢があることを知ってほしい。いじめは絶対に許されないし、もし起きてしまったら、親は子どもを守るために必死になります。
この漫画は、そんな親の切実な願いと、いじめによって失われた命の重さを描いた、衝撃的な作品です。ハードな描写が多く、読むのが辛い場面もありますが、それでも、主人公の気持ちに共感し、自分自身を深く見つめ直すきっかけになるはずです。
もし、あなたもこの問題に関心があるなら、ぜひ一度読んでみてください。
注目ポイント① 福永 渡(パパ)の決意
福永 渡(パパ)の決意
「復讐パパ 〜イジメ・リベンジャー〜」の主人公、福永 渡は、娘の日葵が自殺したことをきっかけに、真相を探ることを決意します。渡は普通のサラリーマンであり、家族を愛する優しい父親でした。しかし、娘の日葵がクリスマスの日に自殺したことで、彼の人生は一変します。日葵の死の背後には、学校でのいじめがあったことが明らかになります。渡は娘の死を無駄にしないためにも、真実を突き止め、娘を苦しめた者たちに復讐を誓います。
渡の決意は、単なる復讐心だけではなく、父親としての愛情と責任感から来ています。彼は娘の日葵がどれほど苦しんでいたのかを知り、彼女のために何かをしてあげられなかった自分を責めます。この自己嫌悪と後悔が、彼の復讐心をさらに強固なものにします。渡は、娘の死の真相を解明するために、あらゆる手段を講じます。彼は学校や警察、そして日葵の友人たちに接触し、少しずつ真実に近づいていきます。
渡の決意は、物語の中心となるテーマであり、読者に強い共感を呼び起こします。彼の行動は、単なる暴力や復讐ではなく、娘の名誉を回復し、彼女の死を無駄にしないためのものであることが描かれています。渡の強い意志と行動力は、読者に感動を与え、物語に深みを加えます。
さらに、渡の決意は物語の進行とともに変化していきます。初めは怒りと悲しみから始まった彼の復讐心が、次第に冷静で計画的なものへと変わっていきます。彼は娘の日葵がどれほど苦しんでいたのかを知り、彼女のために何かをしてあげられなかった自分を責めます。
注目ポイント②日葵の悲劇
日葵の悲劇
「復讐パパ 〜イジメ・リベンジャー〜」の物語は、福永 渡の娘、日葵の悲劇的な自殺から始まります。
日葵が受けたイジメは、言葉の暴力や身体的な暴力だけでなく、精神的な苦痛を伴うものでした。彼女は毎日学校に行くことが恐怖であり、誰にも相談できずに孤立していました。特に、親友だと思っていた犬山 有紗からの裏切りは、日葵にとって大きなショックでした。有紗は表向きは友人として接しながらも、裏では日葵をいじめる主犯格の一人でした。
日葵の自殺は、彼女の家族にとって計り知れない悲しみをもたらしました。特に父親の渡は、娘の苦しみに気づけなかった自分を責め続けます。彼は日葵の部屋で彼女の日記を見つけ、そこに書かれていたいじめの詳細を知ることで、娘がどれほど苦しんでいたのかを初めて理解します。この日記が、渡の復讐心を燃え上がらせるきっかけとなります。
日葵の悲劇は、物語全体の感情的な核となっています。彼女の苦しみと絶望が描かれることで、読者は深い感情移入を感じるでしょう。日葵のキャラクターは、単なる被害者としてではなく、彼女自身の強さや優しさも描かれており、読者にとって忘れられない存在となります。
さらに、日葵の悲劇は、現代社会におけるいじめの問題を鋭く浮き彫りにしています。学校や家庭でのサポートが不足している現実が描かれ、読者に対して社会的な問題提起を行っています。日葵の死を通じて、物語はいじめの深刻さとその影響について考えさせられる内容となっています。
注目ポイント③学校の闇
学校の闇
「復讐パパ 〜イジメ・リベンジャー〜」の物語の舞台となる学校は、表向きは平和で安全な場所に見えますが、その裏には深い闇が潜んでいます。日葵が通っていた学校では、いじめが日常的に行われており、その実態は隠蔽されています。教師や校長は、学校の評判を守るためにいじめの存在を認めようとせず、被害者の声を無視し続けます。
この学校の闇は、いじめの加害者たちが特権的な立場にあることからも明らかです。彼らは学校内での権力を握り、教師たちも彼らに対して強く出ることができません。特に、いじめの主犯格である雉尾 零は、学校内での影響力が強く、彼の行動はほとんど咎められることがありません。このような環境が、いじめを助長し、被害者をさらに追い詰める結果となっています。
さらに、学校の闇は警察との関係にも及びます。事件の担当刑事である猿喰 佐斗司は、学校側と結託していじめの事実を隠蔽しようとします。彼の冷徹な態度と、渡の真実を追求する姿勢が対立することで、物語に緊張感が生まれます。猿喰の行動は、学校と警察がいかにして問題を隠蔽し、被害者の声を封じ込めようとしているかを象徴しています。
このような学校の闇は、現実の社会問題を鋭く反映しています。いじめが発生する環境や、それを取り巻く大人たちの無関心や無力さが描かれることで、読者に対して強いメッセージを発信しています。物語を通じて、いじめの深刻さとその影響について考えさせられる内容となっており、読者にとっても身近な問題として感じられるでしょう。
また、学校の闇は物語の進行において重要な役割を果たします。渡が娘の日葵の死の真相を追求する中で、学校の隠蔽体質やいじめの実態が次第に明らかになっていきます。これにより、物語は単なる復讐劇にとどまらず、社会問題を取り上げた深いテーマを持つ作品となっています。
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